カイロプラクティックのエビデンス【頭痛・頚部痛に対する効果など】

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竹谷内啓介東京カイロプラクティック院長
日本カイロプラクターズ協会会員
RMIT大学健康科学部カイロプラクティック学科卒業。国際カイロプラクティック試験委員会顧問、日本カイロプラクターズ協会(JAC)会長、世界カイロプラクティック連合(WFC)理事を歴任し、現在は日本カイロプラクターズ協会顧問として、国際標準のカイロプラクティック教育や臨床の普及および日本カイロプラクティック科学学会での研究事業に携わる。主な共訳:カイロプラクティックの安全性と教育に関するWHOガイドライン(世界保健機関)、カイロプラクティックテクニック総覧(エンタプライズ)、脊椎のリハビリテーション(エンタプライズ)など。
頭痛(頸原性頭痛)・頸部痛・背部痛に対するカイロプラクティックケア(脊椎マニピュレーション)の有効性の研究をご紹介します。頸部痛、背部痛の患者の多くは、病理的要因を特定できないため、「 非特異的(non-specific)」 と分類されます。また、3か月以上持続する痛みがある場合は、「慢性原発性(chronic primary)」に分類されます。こうした脊椎の痛みを緩和するため、保存的アプローチが望ましい可能性を最近の多くの研究では示しています。保存的アプローチの選択肢のひとつが脊椎マニピュレーション療法(SMT)です。カイロプラクターやその他の徒手療法関連の専門家は、脊椎マニピュレーション療法(SMT)を用いて脊椎の痛みの緩和に役立てています。
頚原性頭痛患者における上部頚椎・上部胸椎マニピュレーションとモビリゼーション・運動療法の比較:多施設共同無作為化臨床試験
James R. Dunning, Raymond Butts, Firas Mourad, Ian Young, Cesar Fernandez-de-las Peñas, Marshall Hagins, Thomas Stanislawski, Jonathan Donley, Dustin Buck, Todd R. Hooks & Joshua A. Cleland
【要約】頚椎症性頭痛患者において、上部頚椎と上部胸椎のマニピュレーションを6~8回行うことは、モビリゼーションやエクササイズよりも効果的であり、その効果は3ヶ月間維持された。
頚原性頭痛治療における脊椎マニピュレーションの用量反応関係と有効性:二重盲検ランダム化比較試験
Mitchell Haas DC, MA, Gert Bronfort DC, PhD, Roni Evans DC, PhD, Craig Schulz DC, MS, Darcy Vavrek ND, MS, Leslie Takaki MA, Linda Hanson DC, MS, Brent Leininger DC, MS, Moni B. Neradilek MS
脊椎マニピュレーション療法(SMT)の受診と頚原性頭痛(CGH)の日数との間には、線形用量反応関係があった。最も高く、 効果的な用量である18回のSMT受診で、CGHの日数は半分に減少し、軽いマッサージの対照群に比べ、1か月あたり約3日多かった。
慢性頸部痛を有する高齢者に対する脊椎マニピュレーション療法、指導付き運動療法、および自宅運動療法の費用対効果
Brent Leininger DC, MS, Christine McDonough PT, PhD, Roni Evans DC, MS, PhD, Tor Tosteson ScD, Anna N.A. Tosteson ScD, Gert Bronfort DC, PhD
平均して、脊椎マニピュレーション療法+自宅での運動とアドバイス(HEA)は、監視下リハビリテーション運動+HEAおよびHEA単独と比較して、より良好な臨床転帰とより低い社会的総費用をもたらした…
急性および亜急性の頸部痛に対する脊椎マニピュレーション、薬物療法、または指導付き自宅運動:無作為化試験
Gert Bronfort, DC, PhD, Roni Evans, DC, MS, Alfred V. Anderson, DC, MD, Kenneth H. Svendsen, MS, Yiscah Bracha, MS, and Richard H. Grimm, MD, MPH, PhD
NIH(米国国立衛生研究所)の国立補完代替医療センターが資金を提供し、機械的な頚部痛を治療するためのさまざまなアプローチの有効性を検証した研究では、272人の参加者が、カイロプラクター(DC)による脊椎マニピュレーション療法(SMT)、鎮痛薬(市販の鎮痛薬、麻薬、筋弛緩薬)、運動推奨のいずれかを受ける3つのグループに分けられた。12週間後、DCと面談した人の約57パーセント、運動した人の48パーセントが、少なくとも75パーセントの痛みの軽減を報告したのに対し、薬物療法群では33パーセントであった。1年後、薬物無投与群の約53パーセントが引き続き75パーセント以上の痛みの軽減を報告したのに対し、薬物投与群では38パーセントの痛みの軽減にとどまった。
脊椎痛に対するカイロプラクティック脊椎マニピュレーションの臨床的有効性と効果
Clinical Effectiveness and Efficacy of Chiropractic Spinal Manipulation for Spine Pain
Carlos Gevers-Montoro, Benjamin Provencher, Martin Descarreaux, Arantxa Ortega de Mues, Mathieu Piché
脊椎マニピュレーション療法(SMT)は、首痛・腰痛に対する科学的に支持された保存療法の1つであり、運動療法・理学療法・標準医療など、国際ガイドラインで推奨される治療法と同等の改善効果を示す。頸部痛に対しては、脊椎マニピュレーション療法(SMT)に運動療法を加えると特に効果的という報告が多い。腰痛に対しては、SMTは、運動療法や標準医療と同等の改善度を示し、初期介入として妥当である。





